パラマウントベッド病院用の選び方は?医療施設向けモデルの特徴

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病院や医療施設でベッドを導入する際、パラマウントベッドは医療処置に対応した高度な機能を備えています。

介護施設用モデルと比較して、動作範囲が広く、清掃・消毒がしやすい構造になっています。

しかし価格は25万円から35万円程度と介護施設用より高額なため、施設の用途を見極める必要があります。

特に医療的ケアが必要な利用者が多い施設では、このようなパラマウントベッドの導入が推奨されます。

本記事では、病院用パラマウントベッドの選び方と、病院用特有の機能、介護施設用との違いについて詳しく解説します。

病院用パラマウントベッドの選び方

病院用パラマウントベッドは、医療処置の頻度と利用者の状態に応じて選び、動作範囲と清掃性を確認します。

病院用パラマウントベッドの最大の特徴は、医療処置に対応した広い動作範囲です。背上げは0度から80度程度まで調整可能で、介護施設用の70度から75度より広い範囲をカバーします。高さ調整も床から20cmから75cm程度まで可能で、介護施設用の25cmから65cm程度より広範囲です。この広い動作範囲により、様々な医療処置や検査に対応できます。

病院用パラマウントベッドが必要な施設は、病院、診療所、介護療養型医療施設、医療的ケアが必要な利用者が多い特別養護老人ホームです。点滴、吸引、経管栄養などの医療処置を頻繁に行う場合、病院用パラマウントベッドの広い動作範囲が必要になります。リハビリテーションを行う施設でも、様々な体位を作れる病院用モデルが適しています。

病院用パラマウントベッドを選ぶ際の重要ポイントは、清掃・消毒のしやすさです。病院では感染管理が重要なため、ベッドの構造が清掃しやすく、消毒液に耐える素材が使用されているかを確認します。フレームの溶接部分や接合部分に汚れが溜まりにくい設計か、マットレスを外した状態で簡単に清掃できるかをチェックします。

医療機器との互換性も確認が必要です。点滴スタンドやモニター機器を取り付けるためのアタッチメントが標準装備されているか、オプションで追加できるかを確認します。ベッドサイドに医療機器を配置するスペースが確保できるか、ケーブルの取り回しがしやすいかも重要です。

病院用パラマウントベッドは、医療処置の頻度に応じて選び、広い動作範囲と清掃性、医療機器との互換性を確認します。

次に、病院用パラマウントベッドの機能と特徴について詳しく解説します。

病院用パラマウントベッドの機能と特徴

病院用パラマウントベッドは、広い動作範囲、トレンデレンブルグ機能、医療機器取り付け対応という3つの特徴を備えています。

広い動作範囲は、病院用パラマウントベッドの最大の特徴です。背上げは0度から80度程度まで調整可能で、医療処置や検査の際に必要な様々な体位を作れます。例えば、呼吸器疾患の患者には背上げ60度から80度の起座位が必要な場合があります。高さ調整は床から20cmから75cm程度まで可能で、医療スタッフの身長や処置内容に応じて最適な高さに設定できます。最も高い位置では、医師が処置を行う際に腰をかがめる必要がなく、作業性が向上します。

トレンデレンブルグ機能は、病院用パラマウントベッドに特有の機能です。ベッド全体を足側が高く頭側が低くなるように傾斜させる機能で、血圧低下時やショック状態の患者に使用します。傾斜角度は10度から15度程度で、下肢を挙上することで静脈還流を促進し、脳への血流を確保します。緊急時に迅速に操作できるよう、リモコンに専用ボタンが配置されています。

医療機器取り付け対応も重要な特徴です。点滴スタンドを取り付けるためのホルダーが標準装備されており、ベッドの左右どちらにも取り付け可能です。モニター機器やシリンジポンプなどを固定するためのアタッチメントもオプションで用意されています。ベッドサイドレールにも、医療機器を一時的に掛けられるフックが付いています。

清掃・消毒のしやすさも病院用の重要な特徴です。フレームの表面処理が施されており、消毒液に対する耐性があります。溶接部分や接合部分が少なく、汚れが溜まりにくい設計です。マットレスを外した状態でフレーム全体を清掃でき、感染管理が徹底できます。キャスターも取り外して清掃できる構造になっています。

リモコンの機能も充実しています。医療スタッフ用のリモコンには、患者用リモコンにはないロック機能があり、患者が誤操作できないようにできます。緊急時に全ての機能を瞬時にフラット状態に戻すボタンも装備されており、心肺蘇生などの際に迅速に対応できます。

病院用パラマウントベッドは、背上げ80度までの広い動作範囲、トレンデレンブルグ機能、医療機器取り付け対応により、医療処置に最適化されています。

次に、病院用と介護施設用パラマウントベッドの違いについて解説します。

病院用と介護施設用パラマウントベッドの違い

病院用パラマウントベッドは、介護施設用より動作範囲が広く清掃性に優れていますが、価格は25万円から35万円と介護施設用の18万円から23万円より高額です。

動作範囲の違いが最も大きな差です。病院用は背上げが0度から80度、高さ調整が床から20cmから75cm程度ですが、介護施設用は背上げが0度から70度から75度、高さ調整が床から25cmから65cm程度です。この差により、病院用は医療処置や検査に必要な体位を作れますが、介護施設用は日常生活支援に必要な範囲に限定されています。

機能の違いも重要です。病院用にはトレンデレンブルグ機能が標準装備されていますが、介護施設用には通常装備されていません。医療機器取り付け用のアタッチメントも、病院用は標準装備が多いですが、介護施設用はオプション扱いになります。リモコンの機能も、病院用は医療スタッフ用の高度な機能が装備されていますが、介護施設用は利用者や介護者が使いやすいシンプルな機能に絞られています。

清掃・消毒のしやすさも異なります。病院用は感染管理を重視した設計で、フレームの表面処理や接合部分の少なさなど、徹底した清掃が可能です。介護施設用も清掃はできますが、病院用ほど細部まで配慮されていない場合があります。病院では複数の患者が短期間で入れ替わるため、ベッドの清掃・消毒が頻繁に必要ですが、介護施設では長期間同じ利用者が使用するため、清掃頻度が異なります。

価格の違いも大きな要因です。病院用パラマウントベッドは25万円から35万円程度、介護施設用の楽匠シリーズは18万円から23万円程度で、7万円から12万円の価格差があります。20台導入する場合、病院用なら500万円から700万円、介護施設用なら360万円から460万円となり、140万円から240万円の差が生じます。

用途による使い分けが重要です。医療的ケアが必要な利用者が多く、医療処置を頻繁に行う施設では病院用パラマウントベッドが適しています。日常生活支援が中心で、医療処置が少ない施設では介護施設用で十分です。施設の一部の居室だけに医療的ケアが必要な利用者がいる場合、その居室のみ病院用を導入し、その他は介護施設用を導入する方法もあります。

病院用パラマウントベッドは、介護施設用より広い動作範囲と高度な医療機能を備えていますが、価格は7万円から12万円高く、医療処置の頻度に応じて選定します。