介護ベッドの導入を検討する中で、3モーターベッドの選定理由を整理できずに判断を迷っている担当者や家族は多いです。
カタログに並ぶ「1モーター」「2モーター」「3モーター」という言葉の意味がわからないまま選ぼうとすと、必要な機能が不足したり、逆に過剰なスペックを選ぶことになります。
モーター数は介護ベッドの機能そのものを左右する最も重要な選択基準であり、利用者の状態に合わせた明確な根拠が必要です。
この記事では3モーターベッドの選定理由と、モーター数別の違い・選ぶ際のポイントについて解説しています。
3モーターベッドの選定理由とは?
3モーターの選定理由としての主な根拠は、床ずれ予防・介護者の腰への負担軽減・長時間臥床する方の姿勢管理の3点です。
3モーターベッドは背上げ・膝上げ(脚上げ)・高さ調節の3つの動作をそれぞれ独立して操作でき、利用者の状態に合わせた細かい姿勢管理が可能です。
膝上げ機能は背上げ時の体のずり落ちを防ぎ、長時間上体を起こした姿勢でも安定した体勢を保てるため、床ずれ予防の観点から特に重視されます。
高さ調節機能により介助者が無理な姿勢をとらずにケアができるため、腰への負担軽減も3モーターが選ばれる大きな理由です。
「誰が・何のために・どの機能を使うのか」を具体的にイメージすることが、3モーターベッドの選定において最も大切な出発点です。
このように、3モーターの選定理由としての主な根拠は、床ずれ予防・介護者の腰への負担軽減・長時間臥床する方の姿勢管理の3点です。
モーター数ごとの機能の違いを、次で確認します。
3モーターベッドが1・2モーターと違う点
3モーターベッドは背上げ・膝上げ・高さ調節の3つをすべて独立して操作できる点が、1・2モーターとの最大の差です。
介護ベッドには背上げ・高さ調節・膝上げという3つの基本機能があり、モーター数によって電動で独立して動かせる部位の数が変わります。
| モーター数 | 動作できる部位 | 主な対象者 | レンタル費用目安(1割負担) |
|---|---|---|---|
| 1モーター | 背上げのみ(または高さ調節のみ) | 起き上がりサポートが主目的 | 月額約300〜500円 |
| 2モーター | 背上げ+高さ調節 | 介助者の腰負担を減らしたい場合 | 月額約500〜800円 |
| 3モーター | 背上げ+膝上げ+高さ調節 | 長時間臥床・床ずれリスクがある方 | 月額約800〜1,200円 |
1モーターと3モーターの最も大きな差は膝上げ機能の有無で、膝を曲げながら背を上げることで体のずれが大幅に軽減されます。
リモコンのボタン数も変わり、3モーターは6〜8個のボタン構成が一般的で、細かい姿勢調整が可能になる反面、操作が複雑になります。
なお、「1+1モーター」という種類もあり、これは背上げと脚上げを別々に動かせますが高さ調節機能がなく、3モーターとは機能が異なります。
このように、3モーターベッドは背上げ・膝上げ・高さ調節の3つをすべて独立して操作できる点が1・2モーターとの最大の差です。
3モーターベッドが選ばれる理由の1つ目、床ずれ予防について次で詳しく確認します。
3モーターベッド選定理由①床ずれ予防と姿勢保持
床ずれ予防の観点で3モーターが選定される背景には、膝上げと背上げを連動させることで体のずれを根本的に防げる点があります。
背上げだけを行うと重力で体が足元にずり落ちやすく、皮膚が引っ張られて摩擦が生じることが床ずれの主な原因になります。
3モーターは背を上げると同時に膝も持ち上げることで体のずれを防ぎ、安定した姿勢を長時間維持できます。
食事・服薬・口腔ケアなど上体を起こす場面が1日に複数回ある方には、この機能の有無が導入判断の大きな根拠になります。
床ずれリスクが高く3モーターの選定理由となるケース
- 自力での体位変換が困難な方
- 1日の大半をベッドで過ごす方
- 皮膚が薄くなりやすい高齢者・低栄養状態の方
- 要介護3以上で寝たきり傾向の方
このように、床ずれ予防の観点で3モーターが選定される背景には、膝上げと背上げを連動させることで体のずれを根本的に防げる点があります。
3モーターベッドの選定理由の2つ目、介護者の腰への負担軽減について次で確認します。
3モーターベッド選定理由②介護者の腰への負担軽減
介護者の腰負担を軽減できることも、3モーターが選定される大きな理由の一つです。
介護中の腰痛は介護者にとって深刻な問題で、ベッドの高さが合わないまま介助を続けると腰椎への負担が蓄積し、介護継続が困難になるケースもあります。
3モーターの高さ調節機能では、床面から20cm程度の超低床から64.5cm以上まで垂直に昇降でき、介助の目的に合わせた高さに即座に切り替えられます。
体位変換・清拭・オムツ交換など腰をかがめる動作が多いケアでは、ベッドを高くすることで介助者の姿勢が改善され、腰痛リスクが大幅に下がります。
高さ調節が電動でできるため、介助者が一人でも素早くケアに適した高さに変えられる点は、施設での採用においても評価されています。
介助しやすい高さの目安
- 移乗・立ち上がり介助:かかとが床につく35cm前後
- 清拭・オムツ交換などの体幹ケア:腰をかがめなくてよい60cm前後
- 就寝時の転落防止:床面から20〜25cmの超低床
このように、介護者の腰負担を軽減できることも、3モーターが選定される大きな理由の一つです。
3モーターベッドが選ばれる理由の3つ目、要介護度が高い方への対応について次で確認します。
3モーターベッド選定理由③要介護度が高い方の姿勢管理
要介護度が高く長時間ベッドで過ごす方の姿勢管理に対応できることも、3モーター選定の重要な根拠です。
要介護3以上になると自力での体位変換が困難になるケースが増え、ベッド上での細かい姿勢調整が生活の質に直結します。
3モーターは利用者本人がリモコン操作で背上げ・膝上げ・高さ調節を自分で行えるため、介助を待たずに姿勢を整えられる自立性も確保できます。
要介護度別のモーター数の目安
| 要介護度 | 推奨モーター数 | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 要支援1〜2・要介護1 | 1〜2モーター | 起き上がりサポートが主目的 |
| 要介護2〜3 | 2〜3モーター | 介助者の負担軽減が必要な場面が増える |
| 要介護3〜5 | 3モーター | 長時間臥床・床ずれリスク・全介助ケアへの対応 |
「とりあえず高機能な3モーターを」ではなく、利用者の身体の状態や介護する家族の状況をケアマネージャーや福祉用具専門相談員と相談したうえで選ぶことが、後悔しない選定の基本です。
ただし、状態は変化していくものであり、将来的に3モーターが必要になる可能性があるなら、最初から3モーターを選んでおく方が買い替えのコストと手間を省けます。
このように、要介護度が高く長時間ベッドで過ごす方の姿勢管理に対応できることも、3モーター選定の重要な根拠です。
3モーターベッドを選ぶ際に確認すべきポイントを、次で解説します。
3モーターベッドの選び方のポイント
3モーターベッドを選ぶ際は、マットレスとの組み合わせ・設置スペース・リモコン操作の複雑さ・購入かレンタルかの判断の4点を必ず確認することが重要です。
マットレスとの組み合わせを確認する
ベッド本体と同じくらい重要なのがマットレスの選択で、利用者の体の状態に合わせたものを選ぶ必要があります。
床ずれ防止用のエアマットレスが必要な場合、ベッド本体との適合を確認してから選ぶことが重要で、厚すぎるマットレスはモーターに負荷がかかる場合があります。
設置スペースと搬入経路を確認する
3モーターベッドは重量があり、搬入経路(廊下幅・ドア幅・エレベーターの有無)を事前に確認する必要があります。
高さ調節で昇降する際に前後に7〜8cm程度のスペースが必要なタイプもあるため、壁や家具との距離も確認してください。
リモコン操作の複雑さを確認する
3モーターはリモコンのボタン数が6〜8個と多く、認知症や視力低下がある利用者には操作が難しい場合があります。
ボタンが大きく表示が見やすいリモコン仕様のモデルを選ぶか、介助者が操作することを前提にして選定してください。
介護保険レンタルか購入かを判断する
要介護2以上であれば介護保険のレンタルが利用でき、月額800〜1,200円(1割負担)が目安です。
長期使用が見込まれる施設・法人向けには中古購入の方がトータルコストを抑えられるケースがあり、動作確認済み・保証付きの中古品を選ぶことが重要です。
このように、3モーターベッドを選ぶ際は、マットレスとの組み合わせ・設置スペース・リモコン操作の複雑さ・購入かレンタルかの判断の4点を必ず確認することが重要です。


