介護施設や病院でベッドを導入する際、激安介護ベッドは魅力的に見えますが、品質面でのリスクがあります。
相場より極端に安い製品は、耐久性が低い、保証が付いていない、部品供給が終了しているなどの問題がある可能性があります。
しかしそのような中にも、在庫処分や展示品など、品質に問題のない製品も存在します。
特に複数台を導入する施設では、1台の故障が複数の利用者に影響するため、慎重な判断が必要です。
本記事では、激安介護ベッドの実態と、リスクを回避しながら良い製品を見極める方法について詳しく解説します。
激安介護ベッドの実態は?
激安介護ベッドは、在庫処分品、展示品、旧モデル、海外メーカー製品、部品供給終了品という5つの種類があります。
在庫処分品は、販売業者が在庫を減らすために通常価格より大幅に値引きした製品です。新品の3モーター介護ベッドが通常18万円のところ、12万円から14万円程度で販売されることがあります。モデルチェンジ前の在庫処分や、販売業者の決算セールなどで激安価格が付けられます。在庫処分品は品質に問題がなく、保証も付いている場合が多いため、最も安心できる激安介護ベッドです。ただし、数量限定や期間限定のため、タイミングを逃すと入手できません。
展示品は、ショールームや展示会で使用されていた製品です。新品の3モーター介護ベッドが13万円から15万円程度で販売されることがあります。実際に使用されていないため状態が良好ですが、多くの人が触ったり座ったりしているため、小傷や汚れがある場合があります。メーカー保証が付いている場合と付いていない場合があるため、購入前に確認が必要です。展示品は数が少ないため、希望するモデルが見つかるとは限りません。
旧モデルは、最新モデルに切り替わったことで価格が下がった製品です。新品の3モーター介護ベッドが14万円から16万円程度で販売されることがあります。基本機能は新モデルと大きく変わらないため、コストパフォーマンスが高い選択です。ただし、部品供給がいつまで続くかを確認する必要があります。旧モデルでも大手メーカー製品であれば、生産終了後も5年から10年程度は部品供給が続くため、比較的安心です。
海外メーカー製品は、国内メーカーより価格が安く設定されています。新品の3モーター介護ベッドが10万円から13万円程度で販売されることがあります。基本機能は備えていますが、細かな仕様が日本の介護現場に最適化されていない場合があります。リモコンの表記が分かりにくい、サイズが日本の居室に合わない、部品供給が不安定などの問題があります。アフターサービスも限定的で、修理対応できる業者が少ない場合があります。
部品供給終了品は、メーカーが部品供給を終了したモデルの中古品です。中古の3モーター介護ベッドが5万円から7万円程度と相場より極端に安い価格で販売されることがあります。購入時は正常に動作していても、故障した際に交換部品が入手できないため、修理不可能になるリスクがあります。短期間の使用であれば問題ありませんが、長期使用を前提とした施設導入には適していません。
激安介護ベッドの実態は、在庫処分品や展示品のように品質に問題ないものから、部品供給終了品のようにリスクが高いものまで様々です。
次に、激安介護ベッドのリスクと対策について詳しく解説します。
激安介護ベッドのリスクと対策
激安介護ベッドのリスクは、早期故障、部品入手困難、保証なし、アフターサービス不足という4つがあり、それぞれ対策が必要です。
早期故障のリスクは、激安介護ベッドで最も注意すべき問題です。海外メーカーの格安品や、使用期間が長い中古品は、購入後1年から2年で故障する可能性があります。フレームの溶接部分が弱い、モーターの品質が低い、ワイヤーが劣化しているなどの問題により、早期故障が発生します。20台導入した場合、1年以内に5台から10台が故障すると、修理費用や買い替え費用が発生し、激安で購入した意味がなくなります。対策として、購入前に必ず動作確認を行い、フレームやモーターの状態を入念にチェックします。製造年を確認し、製造から5年以内の製品を選ぶことで、早期故障のリスクを減らせます。
部品入手困難のリスクは、激安介護ベッドの大きな問題です。部品供給が終了したモデルや、海外メーカーの製品は、故障時に交換部品が入手できない場合があります。モーターやリモコンが故障しても交換できず、ベッド全体を買い替える必要が生じます。1台20万円のベッドを5万円で購入しても、2年後に故障して買い替えれば、結果的に高くつきます。対策として、購入前にメーカーや販売業者に部品供給状況を確認します。大手メーカーの製品であれば、生産終了後も一定期間部品供給が続くため、比較的安心です。部品供給が確実な製品のみを選ぶことが重要です。
保証なしのリスクも深刻です。激安介護ベッドの中には、保証が全く付いていない製品があります。購入後すぐに故障しても、修理費用が全額自己負担となります。中古品の場合、保証が付いていても3ヶ月から6ヶ月程度と短い場合があります。対策として、最低でも6ヶ月から1年程度の保証が付いている製品を選びます。保証内容も確認し、どの部分が保証対象か、修理費用は無料か有料かを明確にします。保証が全く付いていない激安介護ベッドは、どんなに安くても避けるべきです。
アフターサービス不足のリスクも考慮が必要です。激安で販売している業者の中には、販売後のサポートが不十分な場合があります。故障時の連絡先が不明、修理に来てくれない、対応が遅いなどの問題が発生します。施設で複数台使用する場合、1台の故障が利用者の生活に直接影響するため、迅速な対応が必要です。対策として、購入前に販売業者のアフターサービス体制を確認します。故障時の対応時間、修理対応の範囲、定期メンテナンスサービスの有無などを明確にします。実績のある販売業者から購入することで、アフターサービスのリスクを減らせます。
激安介護ベッドは、早期故障や部品入手困難などのリスクがあるため、購入前の動作確認、部品供給状況の確認、保証内容の確認、アフターサービス体制の確認が必須です。
次に、激安でも品質の良い介護ベッドの見極め方について解説します。
激安でも品質の良い介護ベッドの見極め方
激安でも品質の良い介護ベッドは、大手メーカーの在庫処分品、製造3年以内の中古品、保証1年以上付き、部品供給継続中という条件を満たします。
大手メーカーの在庫処分品は、激安でも品質が保証されている最良の選択です。パラマウントベッドや国内大手メーカーがモデルチェンジ前に在庫処分する場合、通常価格の3割から4割引きで購入できることがあります。楽匠シリーズの3モーターが通常20万円のところ、12万円から14万円程度で販売されることがあります。品質は通常品と変わらず、メーカー保証も付いています。在庫処分品を見つけるには、メーカーや大手販売業者のホームページを定期的にチェックし、セール情報を確認します。
製造3年以内の中古品も、激安でありながら品質が良い選択です。製造から3年以内であれば、まだ十分な耐用年数が残っており、購入後5年から7年程度は使用できます。中古の3モーターが8万円から10万円程度で、新品の半額以下で購入できます。製造年はベッドに貼られたシールや銘板で確認できます。販売業者に製造年を明示してもらい、3年以内の製品のみを選ぶことで、激安でも品質の良い製品を入手できます。
保証1年以上付きの製品は、販売業者が品質に自信を持っている証拠です。激安品でも、信頼できる販売業者であれば1年程度の保証を付けています。保証が1年以上付いている激安介護ベッドは、品質面での安心感があります。保証内容も確認し、モーターやリモコンなどの主要部品が保証対象に含まれているかをチェックします。保証期間が6ヶ月未満の製品や、保証が全く付いていない製品は、どんなに激安でも避けるべきです。
部品供給継続中の製品を選ぶことも重要です。激安品の中には、部品供給が終了したモデルもあります。購入前に、メーカーや販売業者に部品供給状況を確認し、モーターやリモコンなどの主要部品が入手可能なモデルのみを選びます。大手メーカーは生産終了後も5年から10年程度は部品供給を続けるため、旧モデルでも比較的安心です。部品供給が継続している激安介護ベッドであれば、故障時にも対応できます。
動作確認を徹底することも見極めのポイントです。激安品を購入する際は、必ず実際にすべての電動機能を動かして確認します。背上げ、膝上げ、高さ調整のすべての機能が滑らかに動くか、異音がしないか、リモコンが正常に反応するかをチェックします。フレームの溶接部分にひび割れがないか、サイドレールの取り付け部分が緩んでいないかも確認します。動作確認で問題がない激安介護ベッドであれば、安心して購入できます。
複数の販売業者で価格を比較することも重要です。同じモデルでも、販売業者によって価格が異なる場合があります。3社から5社程度の見積もりを取り、最も安い価格を提示した業者から購入します。ただし、極端に安い価格を提示する業者には警戒が必要で、なぜその価格なのかを確認します。適正な理由がある場合のみ購入すべきです。
激安でも品質の良い介護ベッドは、大手メーカーの在庫処分品、製造3年以内の中古品、保証1年以上付き、部品供給継続中という条件を満たす製品です。


