3モーター介護ベッドの選び方は?機能と価格の比較について!

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介護施設や病院で高機能なベッドを導入する際、3モーター介護ベッドは背上げ・膝上げ・高さ調整の3つの機能を独立して操作できつため非常に重要です。

要介護3以上の利用者が中心の施設では、これらの機能を持つベッドの導入が推奨されます。

しかし価格は15万円から20万円程度と1モーターや2モーターより高額なため、費用対効果を見極める必要があります。

特に3つの機能を独立して操作できることで、利用者の快適性と介護者の負担軽減が大幅に向上します。

本記事では、3モーター介護ベッドの選び方と、3つの独立機能の詳細、メーカー別の価格比較について詳しく解説します。

3モーター介護ベッドの選び方

3モーター介護ベッドは、利用者の介護度が3以上で体位変換や褥瘡予防が必要な施設に導入し、3つの機能すべての動作範囲を確認して選びます。

3モーター介護ベッドの最大の特徴は、背上げ・膝上げ・高さ調整の3つの機能をそれぞれ独立して操作できることです。2モーター介護ベッドは背上げと高さ調整の2つの機能しかなく、膝上げ機能がありません。膝上げ機能があることで、背上げ時に体がずり落ちるのを防ぎ、利用者の快適性と安全性が大幅に向上します。

3モーター介護ベッドが必要な施設は、特別養護老人ホーム、介護療養型医療施設、要介護3以上の利用者が中心のグループホームです。これらの施設では、自力での体位変換が困難な利用者が多く、褥瘡予防のために定期的な体位変換が必要です。膝上げ機能により、2時間から4時間ごとの体位変換を適切に行え、褥瘡の発生リスクを低減できます。

3モーター介護ベッドを選ぶ際の重要ポイントは、3つの機能すべての動作範囲の確認です。背上げは70度から75度程度まで調整できるか、膝上げは30度程度まで調整できるか、高さ調整は床から25cmから65cm程度の範囲で調整できるかをチェックします。動作範囲が広いほど、様々な体位を作れるため、利用者の状態に応じた柔軟な対応が可能です。

リモコンの操作性も重要です。3つの機能を独立して操作するため、リモコンのボタン数が多くなります。ボタンの配置が分かりやすく、どのボタンがどの機能に対応しているか一目で分かるデザインが理想的です。高齢者や認知症の利用者でも操作しやすいよう、ボタンの大きさや押した時の感触も確認します。

3モーター介護ベッドは、要介護3以上の利用者への褥瘡予防が必要な施設に導入し、3つの機能の動作範囲とリモコンの操作性を確認して選びます。

次に、3モーター介護ベッドの3つの独立機能について詳しく解説します。

3モーター介護ベッドの3つの独立機能

3モーター介護ベッドは、背上げ・膝上げ・高さ調整の3つの機能を独立して操作でき、それぞれが異なる役割を果たします。

背上げ機能は、0度のフラット状態から70度から75度程度まで調整可能です。食事の際は30度から45度程度の角度が推奨され、誤嚥を防ぐために重要です。読書やテレビ視聴の際は60度から70度程度の角度が快適で、利用者のQOL向上につながります。リハビリテーションの際も、背上げ角度を調整することで、利用者の状態に応じた適切な姿勢を作れます。背上げの速度も重要で、30秒から40秒程度かけてゆっくり動作するものが、利用者にとって快適です。

膝上げ機能は、3モーター介護ベッド特有の機能で、0度から30度程度まで調整可能です。背上げのみを行うと、重力により利用者の体が足元方向へずり落ちてしまいますが、膝上げを併用することでこれを防ぎます。背上げ30度に対して膝上げ15度程度、背上げ60度に対して膝上げ30度程度というように、背上げの角度に応じて膝上げの角度を調整することで、最適な姿勢を保てます。褥瘡予防のための体位変換にも有効で、定期的に角度を変えることで同じ部位への圧迫を分散できます。

高さ調整機能は、床からマットレス上面までの高さを25cmから65cm程度の範囲で調整できます。最も低い位置の25cmから35cm程度は、転落時の安全性に関わります。ベッドから転落した場合でも、床までの距離が短いため、怪我のリスクを軽減できます。最も高い位置の60cmから65cm程度は、介護者の作業性に影響します。移乗介助、おむつ交換、着替えなどの介護作業を行う際、介護者が腰をかがめる必要が減り、腰痛予防につながります。介護者の身長や作業内容に応じて、適切な高さに調整できることが重要です。

3つの機能を組み合わせることで、様々な体位を作れます。例えば、背上げ45度、膝上げ20度、高さ50cmという組み合わせで食事介助を行う、背上げ30度、膝上げ15度、高さ30cmという組み合わせで安全な就寝姿勢を作る、背上げ0度、膝上げ0度、高さ60cmという組み合わせでおむつ交換を行うなど、状況に応じた最適な設定が可能です。

3モーター介護ベッドの3つの独立機能は、背上げが利用者の日常生活を支援し、膝上げが体位のずれを防ぎ、高さ調整が介護者の負担を軽減するという役割を果たします。

次に、3モーター介護ベッドの価格とメーカー比較について解説します。

3モーター介護ベッドの価格とメーカー比較

3モーター介護ベッドの価格は、パラマウントベッドが18万円から23万円、国内中堅メーカーが15万円から18万円、海外メーカーが12万円から15万円程度です。

パラマウントベッドの3モーター介護ベッドは、楽匠シリーズが中心で価格は18万円から23万円程度です。楽匠プラスが18万円から20万円、楽匠S型が19万円から21万円、楽匠Z型が21万円から23万円の価格帯です。価格は高めですが、モーターの静音性と耐久性に優れており、故障率が低いメリットがあります。部品供給も安定しており、生産終了後も長期間部品が入手可能です。全国にメンテナンス拠点があり、故障時の対応が迅速です。

国内中堅メーカーの3モーター介護ベッドは、15万円から18万円程度の価格帯です。基本的な機能は備えており、コストパフォーマンスに優れています。パラマウントベッドと比較して3万円から5万円程度安いため、予算が限られている施設に適しています。ただし、モーターの静音性や耐久性はパラマウントベッドに劣る場合があります。部品供給やアフターサービスの体制も、パラマウントベッドほど充実していない場合があるため、購入前に確認が必要です。

海外メーカーの3モーター介護ベッドは、12万円から15万円程度と最も安い価格帯です。基本機能は備えていますが、細かな仕様が日本の介護現場に最適化されていない場合があります。リモコンの表記が分かりにくかったり、サイズが日本の居室に合わなかったりする場合があります。部品供給が不安定で、故障時に交換部品の入手に時間がかかるリスクがあります。アフターサービスも限定的で、修理対応できる業者が少ない場合があります。

メーカー選定のポイントは、初期価格だけでなくトータルコストで判断することです。パラマウントベッドは初期価格が高いですが、10年間使用できれば年間コストは約2万円です。海外メーカーで12万円のものを購入しても、6年で故障して買い替えが必要なら、10年間で2台必要となり総額24万円、年間コストは約2万4千円となります。故障による利用者への影響や、修理手配の手間も考慮する必要があります。

複数台導入する場合の価格交渉も重要です。20台の3モーター介護ベッドを導入する場合、パラマウントベッドの楽匠S型なら定価420万円ですが、まとめ買い割引により380万円から400万円程度に抑えられる可能性があります。国内中堅メーカーなら340万円から360万円程度、海外メーカーなら260万円から300万円程度が目安です。

3モーター介護ベッドは、パラマウントベッドが18万円から23万円、国内中堅メーカーが15万円から18万円、海外メーカーが12万円から15万円の価格帯で、長期的なトータルコストと施設の予算を考慮して選定します