介護施設のベッド選びのポイントは?種類と導入費用の比較!

介護ベッド

介護施設へのベッド導入を検討しているが、施設の種別や入居者の介護度に合った機種の選び方がわからないという担当者は多いです。

特養・老健・有料老人ホームといった施設の種別によって入居者の介護度分布が異なり、必要な機能も変わります。

選定を誤ると介護スタッフの負担増加や入居者の安全性低下につながるため、種類と選定基準を正しく理解しておくことが重要です。

この記事では介護施設のベッド選びのポイントを種類・機能・費用の観点から整理しています。

介護施設のベッド選びのポイントは?

介護施設のベッド選びのポイントは、施設の種別と入居者の介護度分布を確認したうえで、必要な機能・サイズ・安全性・導入費用の4点を整理することです。

施設の種別によって入居者の介護度分布が異なるため、全室に同じ機種を導入するのではなく、介護度の分布に合わせた機種選定が必要です。

施設種別 主な入居者の介護度 推奨機種
特別養護老人ホーム(特養) 要介護3以上 3モーター全室
介護老人保健施設(老健) 要介護1〜5(リハビリ中心) 2〜3モーター
有料老人ホーム 要介護1〜3 2モーター基本・一部3モーター
グループホーム 要介護1〜3(認知症) 2モーター+低床対応
サービス付き高齢者向け住宅 自立〜要介護2 1〜2モーター

施設全体の介護度分布を分析し、要介護3以上が6割を超える施設では全室3モーターの導入が推奨されます。

このように、介護施設のベッド選びのポイントは施設の種別と入居者の介護度分布を確認したうえで、必要な機能・サイズ・安全性・導入費用の4点を整理することです。

介護施設のベッドに必要な基本機能を、次で確認します。

介護施設のベッドに必要な3つの基本機能

介護施設のベッドに必要な基本機能は、背上げ・膝上げ・高さ調節の3つで、それぞれが介護の質と介護者の負担軽減に直接影響します。

背上げ機能

利用者の上体を電動で起こす機能で、食事・服薬・口腔ケア・リハビリなど上体を起こした状態でのケアに不可欠です。

背上げ時に身体がずり落ちやすくなるため、膝上げ機能との組み合わせが重要になります。

膝上げ機能

背上げ時に体がずり落ちるのを防ぐ機能で、長時間の姿勢保持と褥瘡予防に重要な役割を果たします。

背上げと膝上げを交互に行うことで血流が改善され、足のむくみ防止にも効果があります。

高さ調節機能

ベッド全体の高さを電動で変える機能で、介護者が腰をかがめずにケアできる高さに設定することで腰痛リスクを大幅に下げられます。

介護者にとって作業しやすい高さは介護者の身長の40%程度が目安で、身長160cmなら64cm前後が適切です。

モーター数と機能の関係

モーター数 操作できる機能 向いているケース
1モーター 背上げのみ(または高さ調節のみ) 自立度が高い・起き上がりサポートのみ
1+1モーター 背上げ+膝上げ(高さ調節なし) 高さ調節不要・膝上げを単独で使いたい場合
2モーター 背上げ+高さ調節 介助者の腰負担軽減が必要
3モーター 背上げ+膝上げ+高さ調節(すべて独立) 長時間臥床・褥瘡リスク・重度介護
4モーター 3モーター+肩傾斜(寝返り補助) 自動寝返り・最重度の体位管理

このように、介護施設のベッドに必要な基本機能は背上げ・膝上げ・高さ調節の3つで、それぞれが介護の質と介護者の負担軽減に直接影響します。

施設の介護度分布に合わせた機種選定を、次で確認します。

介護施設のベッド選びのポイント①施設の介護度分布で機種を決める

介護施設のベッドは入居者の介護度分布を分析してから機種を決めることが、コストと機能の両立につながる最重要ポイントです。

要介護3以上が6割を超える特養では、全室に3モーター介護ベッドを導入することで褥瘡予防・体位変換・食事介助のすべてに対応できます。

要介護1〜2が中心の有料老人ホームでは、2モーター介護ベッドを基本とし、重度化が見込まれる居室に限って3モーターを配置する方法が効率的です。

グループホームなど認知症対応の施設では、転落リスクが高い入居者の居室に低床機能付きのベッドを配置し、日中は通常の高さで介助しやすくする運用が有効です。

将来的な入居者の重度化を見越して最初から3モーターを全室導入しておくと、介護度上昇に伴う機種変更コストと手間を省けます。

施設開設時や大規模リニューアル時は、一括導入による単価交渉が有効で、複数台まとめ買いで1台あたり1〜3万円程度の値引きが期待できます。

このように、介護施設のベッドは入居者の介護度分布を分析してから機種を決めることが、コストと機能の両立につながる最重要ポイントです。

サイズと設置スペースの確認を、次で行います。

介護施設のベッド選びのポイント②サイズと設置スペースの確認

介護施設のベッドはサイズ選定と設置スペースの事前確認が不十分だと、搬入後に介助しにくい環境になるリスクがあるため慎重に確認することが重要です。

幅の選び方

介護ベッドの幅は83cm・91cm・100cm以上の3種類が主流で、施設での介助を優先するなら83〜91cmを選ぶことが基本です。

幅が狭いほど両側からの介助がしやすく、居室のスペースも効率よく使えます。

自力で寝返りができない・介護度が高い入居者には、介助しやすい83〜91cm幅の選択が推奨されます。

高さ調節と作業スペース

高さ調節機能を持つベッドは昇降時にベッド本体が前後に数cm動くタイプがあり、壁や家具との距離を事前に確認することが必要です。

ベッドの周囲に介助スペースとして最低でも片側80cm以上を確保できるかどうかを、設置前に居室の寸法と照らし合わせて確認しましょう。

搬入経路の確認

廊下幅・ドア幅・エレベーターの有無を事前に業者に伝えておくと、搬入当日のトラブルを防げます。

介護ベッドはパーツを分解して搬入できる構造のため、通路が狭い施設でも対応できるケースがほとんどです。

このように、介護施設のベッドはサイズ選定と設置スペースの事前確認が不十分だと搬入後に介助しにくい環境になるリスクがあるため慎重に確認することが重要です。

安全機能と付属品の確認を、次で行います。

介護施設のベッド選びのポイント③安全機能と付属品の確認

介護施設のベッドは安全機能が十分かどうかの確認と、付属品の適切な選定が事故防止と介護の質向上に直結する重要なポイントです。

JIS規格と安全機能

JIS T9254(特殊寝台)の認証を取得した介護ベッドは、挟み込み防止・自動停止・ロック機能・停電時手動操作・耐荷重基準をすべて満たしています。

認知症や理解力が低下した入居者が多い施設では、誤操作防止ロック機能が搭載されているかどうかを特に確認することが重要です。

サイドレールと手すりの違い

サイドレールは寝具のずれ防止と転落防止を目的とした柵で、立ち上がりの支えには使えません。

立ち上がりのサポートが必要な場合は、しっかり固定できるベッド用グリップ(介助バー)を別途取り付けることが必要です。

サイドレールはベッドメーカーに合わせた規格品を選ばないと適合しないため、必ず同じメーカーの製品を選びましょう。

マットレスの選定

マットレスの種類 特徴 施設での推奨ケース
高反発マットレス 寝返り・立ち上がりがしやすい 自立度がある入居者
低反発ウレタン 体圧分散・寝心地重視 比較的安定した入居者
エアーマットレス 自動体圧分散・褥瘡予防 長時間臥床・褥瘡リスクが高い入居者

ベッド本体とマットレスの適合が保証されたセット品を選ぶことで、サイドレールとの隙間に関する安全基準を確実に満たせます。

このように、介護施設のベッドは安全機能が十分かどうかの確認と、付属品の適切な選定が事故防止と介護の質向上に直結する重要なポイントです。

導入費用の比較を、次で確認します。

介護施設へのベッド導入費用と購入・レンタル・中古の比較

介護施設へのベッド導入は、長期使用が見込まれる場合には動作確認済み・保証付きの有名メーカー中古品の一括購入がトータルコストを最も抑えられる方法です。

導入方法 費用目安 向いているケース
介護保険レンタル 月額1,000〜3,000円(1割負担) 在宅・個人向け・短〜中期
新品購入 8〜25万円/台 特定機種・長期使用
有名メーカー中古購入 新品の4〜6割 施設・複数台導入・長期使用

介護施設・法人が複数台を導入する場合、介護保険レンタルは施設の備品には適用されないため、購入が前提になります。

新品で3モーター介護ベッドを20台導入する場合、1台あたり18万円として360万円の費用が必要ですが、有名メーカーの中古品であれば1台あたり8〜10万円程度、20台で160〜200万円に抑えられます。

中古品の選定では、JIS規格対応・動作確認済み・付属品一式・1年保証・専門業者による清拭消毒済みの5点を確認してから発注することが基本です。

複数台まとめ発注により1台あたりの単価をさらに交渉できるため、施設開設時や大規模リニューアル時にまとめて発注することをおすすめします。

このように、介護施設へのベッド導入は長期使用が見込まれる場合には動作確認済み・保証付きの有名メーカー中古品の一括購入がトータルコストを最も抑えられる方法です。