楽匠シリーズの違いとは?機種別の特徴と選び方について!

介護ベッド

パラマウントベッドの楽匠シリーズといっても、S・Z・プラス・Fitと複数の機種が存在し、どれが自分の目的に合っているか判断しにくいという声は多く聞かれます。

名称が似ているうえに新旧モデルが混在して流通しているため、カタログだけでは差がつかみにくい状況です。

機種ごとに搭載機構・対応できる姿勢の範囲・価格帯が大きく異なるため、違いを理解せずに選ぶと後悔につながります。

この記事では楽匠シリーズの違いを機種別に整理して、目的に合った一台を選べるようまとめています。

楽匠シリーズの違いとは?

楽匠シリーズの違いは、搭載されている背上げ機構の種類と世代によって大きく5つの系統に分かれます。

機種 背上げ機構 生産状況 主な特徴
楽匠S らくらくモーション 生産終了 超低床対応・スタンダードモデル
楽匠Z ラクリアモーション 生産終了 3種類の背上げモード・ソファ姿勢対応
楽匠プラスX らくらくモーション改良版 現行 超低床対応・楽匠Sの後継
楽匠プラスH ラクリアモーション改良版 現行 骨盤起き上がり対応・楽匠Zの後継
楽匠Fit 独自背上げ機構(フィットラインボトム) 現行(最新) パノラマデザイン・アプリ連携

背上げ機構の世代が新しいほど身体のずれ防止性能と体圧分散性能が向上しており、姿勢保持が重要な方ほど新しい機種が適しています。

楽匠S・楽匠Zはすでに生産終了しており、入手できるのは中古品のみです。

このように、楽匠シリーズの違いは搭載されている背上げ機構の種類と世代によって大きく5つの系統に分かれます。

楽匠Sの特徴と向いているケースを、次で確認します。

楽匠シリーズの違い|楽匠Sの特徴

楽匠Sは楽匠シリーズのスタンダードモデルで、「らくらくモーション」による滑らかな背上げと超低床設計が主な特徴です。

らくらくモーションは背部と腰部が連動して動く機構で、起き上がり時に身体がずれにくく、スムーズに上体を起こします。

また、楽匠Sは身体の挟まり事故に配慮した設計でJIS規格(JIS T9254:2009)の認証を取得しており、安全性が高く評価されています。

床面の最低高は約20cmの超低床タイプで、転落リスクを抑えたい環境でも使いやすいモデルです。

現在は生産を終了しており中古市場での流通が主ですが、流通量が多く選びやすいシリーズです。

楽匠Sが向いているケース

  • 要介護1〜2程度でまだ自力動作がある程度残っている方
  • 起き上がりや姿勢保持のサポートが主な目的
  • 費用をできるだけ抑えて導入したい場合
  • 超低床設計でベッドからの転落リスクを抑えたい方

このように、楽匠Sは楽匠シリーズのスタンダードモデルで、「らくらくモーション」による滑らかな背上げと超低床設計が主な特徴です。

楽匠Sとの違いが大きい楽匠Zの特徴を、次で確認します。

楽匠シリーズの違い|楽匠Zの特徴

楽匠Zの最大の特徴は、楽匠Sにはない「ラクリアモーション」を搭載し、3種類の背上げモードで状況に合わせた姿勢管理ができることです。

楽匠Zの背上げモードは「ラクリアモーション」「らくらくモーション」「背ボトム単独動作」の3種類があり、利用者の状態や目的に応じて使い分けられます。

ラクリアモーションはベッド全体を傾けながら背を起こす動作で、最終的にはソファに座っているような姿勢まで対応でき、食事・口腔ケア・リフト移乗の際に姿勢変化が少なくて済む点が評価されています。

最大高さは64.5cmまで昇降でき、ベッド下のスペースが広く足を踏み込んで接近しやすい設計です。

楽匠Zも生産を終了しており現在は中古品のみの流通ですが、3種類の背上げモードへの需要は高く市場での流通量も確保されています。

楽匠Zが向いているケース

  • 食事・服薬・リハビリで頻繁に上体を起こす場面がある方
  • 長時間ベッドで過ごすことが多く姿勢保持が課題になっている方
  • ずり落ちや体のずれが気になっている方
  • リフト移乗を行うケースが多い施設

このように、楽匠Zの最大の特徴は「ラクリアモーション」を搭載し、3種類の背上げモードで状況に合わせた姿勢管理ができることです。

現行機種である楽匠プラスのHモデルとXモデルの違いを、次で確認します。

楽匠シリーズの違い|楽匠プラスHモデルとXモデルの特徴

楽匠プラスは楽匠ZおよびSの後継にあたる現行機種で、HモデルとXモデルの2タイプに分かれている点が最大の特徴です。

楽匠プラスでは「プラスラインボトム」という新設計のボトム構造が採用されており、背上げ時に骨盤の角度・身体のずれ量・上体の曲がり具合のいずれも前機種より向上しています。

Hモデルはラクリアモーション改良版を搭載しており、ベッドの傾斜によりフットボード側が低くなることで、視線が生活空間に向きやすくなる設計になっています。

Xモデルはラクリアモーションを搭載せず、らくらくモーション改良版と超低床設計が主な特徴で、楽匠Sの後継として転落リスクへの対応が必要な方に適しています。

項目 Hモデル Xモデル
背上げ機構 ラクリアモーション改良版 らくらくモーション改良版
ソファ姿勢 対応 非対応
超低床 非対応 対応
骨盤起き上がり あり(プラスラインボトム) あり(プラスラインボトム)
前身モデル 楽匠Z 楽匠S

このように、楽匠プラスは楽匠ZおよびSの後継にあたる現行機種で、HモデルとXモデルの2タイプに分かれている点が最大の特徴です。

楽匠シリーズの最新機種・楽匠Fitの特徴を、次で確認します。

楽匠シリーズの違い|最新機種・楽匠Fitの特徴

楽匠Fitは2025年に発売された楽匠シリーズの最新機種で、「フィットラインボトム」と呼ばれる新構造による骨盤の起き上がりと、アプリ連携による操作性向上が主な特徴です。

フィットラインボトムにより背上げ時のずれをさらに抑制し、姿勢保持力を強化。楽匠プラスと比較してもさらに安定した背上げ姿勢が実現しています。

停電時でも乾電池で背・膝の下げ動作ができるバックアップ機能を標準搭載しており、緊急時の安全性が高まっています。

スマートフォンアプリとBluetooth接続することで、ベッド操作の履歴確認や呼び出し機能が利用でき、家族や介護者とのコミュニケーションもスムーズになりました。

液晶タッチパネル式の手元スイッチモデルも新たに追加され、直感的な片手操作が可能になっています。

楽匠FitのH・Xタイプの概要

  • Hタイプはラクリアモーションとフィットラインボトムを搭載
  • Xタイプはらくらくモーションと超低床(55.6cm〜)設計

楽匠Fitが向いているケース

  • 最新の機能・操作性を求める方
  • 家族や施設スタッフとのICT連携を活用したい場合
  • 福祉用具貸与事業者として在庫管理の効率化を重視する場合

このように、楽匠Fitは2025年に発売された楽匠シリーズの最新機種で、フィットラインボトムとアプリ連携による操作性向上が主な特徴です。

楽匠シリーズの違いから自分に合った機種を選ぶポイントを、次で解説します。

楽匠シリーズの違いから自分に合った機種を選ぶポイント

楽匠シリーズの中から適切な機種を選ぶには、ラクリアモーションの必要性・超低床の必要性・予算と入手方法の3点を軸に考えることが重要です。

ラクリアモーションが必要かどうかで選ぶ

食事や服薬で頻繁に上体を起こす場面が多く、ずり落ちや体のずれが課題になっている場合は楽匠ZまたはプラスH・楽匠Fit Hタイプが適しています。

起き上がりのサポートが主な目的で、ソファ姿勢までの対応が不要な場合は楽匠SまたはプラスX・楽匠Fit Xタイプで十分対応できます。

超低床が必要かどうかで選ぶ

転落リスクが高く床面をできる限り低くしたい場合は、楽匠S・楽匠プラスX・楽匠Fit Xタイプが対応しています。

楽匠Zや楽匠プラスHは超低床設計ではないため、転落リスクへの対応が必要な場合は注意が必要です。

予算と入手方法で選ぶ

楽匠S・楽匠Zはすでに生産終了しているため中古品のみの流通ですが、現行機種より大幅に安く入手できます。

中古の楽匠シリーズを選ぶ際は、モーターの動作確認・付属品の有無・使用年数の3点を必ず確認することがポイントです。

楽匠プラス・楽匠Fitは現行機種のため新品でも入手でき、介護保険レンタルの対象にもなっています。

このように、楽匠シリーズの中から適切な機種を選ぶには、ラクリアモーションの必要性・超低床の必要性・予算と入手方法の3点を軸に考えることが重要です。