高齢者が使いやすいベッドの選び方とは?布団との違いと注意点!

介護ベッド

布団で寝ていた親が起き上がりに苦労するようになり、高齢者が使いやすいベッドへの切り替えを検討し始めたという方は多いです。

一口にベッドといっても一般ベッド・リクライニングベッド・介護ベッド・畳ベッドと種類があり、高齢者ならではの身体的な事情を考慮した選び方が必要になります。

選び方を間違えると立ち上がりにくかったり転落リスクが残ったりと、かえって生活しにくくなるケースがあります。

この記事では高齢者が使いやすいベッドの選び方を、安全性・高さ・硬さ・種類の観点から解説しています。

高齢者が使いやすいベッドの選び方とは?

高齢者が使いやすいベッドの選び方は、安全性・高さ・マットレスの硬さ・衛生性の4点を確認することが基本です。

60〜70代の自立度が高い方を対象に選ぶ場合と、要介護認定を受けている方では選ぶべき機能が異なります。

対象 推奨ベッドの種類 主な確認ポイント
自立〜要支援(60〜70代) 一般ベッド・リクライニングベッド 高さ・安全性・マットレスの硬さ
要介護1〜2 リクライニング・2モーター介護ベッド 背上げ・高さ調節・手すり
要介護3以上 3モーター介護ベッド 膝上げ・褥瘡予防・介護保険レンタル

年齢や介護度だけでなく、本人の意思をヒアリングしたうえで使いやすいベッドを選ぶことが重要です。

このように、高齢者が使いやすいベッドの選び方は安全性・高さ・マットレスの硬さ・衛生性の4点を確認することが基本です。

布団からベッドに変えるメリットとデメリットを、次で確認します。

高齢者がベッドに変えるメリットとデメリット

高齢者が布団からベッドに変えるメリットは立ち上がりやすさ・硬さの選択肢・布団管理不要・衛生性の4点で、デメリットはスペース・寝心地の違い・重量の3点です。

布団からベッドに変えるメリット

①立ち座りが楽になる

布団で寝ている場合、筋力が低下した高齢者は床からの立ち上がりに大きな負担がかかります。

ベッドなら椅子に腰かけるような姿勢から立ち上がれるため、膝や腰への負担を大幅に軽減できます。

入院をきっかけにベッドの便利さを実感して切り替える方も多く、転倒リスクの軽減にもつながります。

②硬さを自分に合わせて選べる

布団の多くは厚さ8〜12cm程度で底付き感が出やすく、横向きに寝ると肩や腰を圧迫しやすいという問題があります。

ベッドマットレスはソフト〜ハードまで多様な硬さと素材(コイル・ウレタン・ファイバー)から選べるため、体格や好みに合わせた選択が可能です。

③布団の上げ下ろしが不要になる

毎日の布団の折り畳みや上げ下ろしは高齢者にとって大きな身体的負担です。

ベッドにすれば起きたら布団をはぐだけでよく、重い布団を運ぶ労力が不要になります。

④床のホコリを吸い込みにくい

床から45cm程度までの高さにはハウスダストなどが舞いやすく、特にフローリングは人が歩くだけでホコリが舞い上がります。

ベッドで寝ることで就寝中にホコリを吸い込むリスクを下げられ、アレルギーの原因となる物質を避けやすくなります。

布団からベッドに変えるデメリット

①常に設置スペースが必要

布団と異なりベッドは収納できないため、部屋のスペースを常に占有します。

狭い部屋への導入は生活動線を圧迫するため、設置前に搬入経路と設置後のスペースを確認することが必要です。

②布団の寝心地と異なる

長年布団で寝てきた方はマットレスの寝心地に慣れるまで時間がかかるケースがあります。

畳の感触が好きな方には畳ベッドという選択肢もあり、布団をそのまま使えるタイプもあります。

③重量があり移動が難しい

一般的なベッドは重量があり、一度設置したら模様替えや引越しの際に移動させにくいです。

このように、高齢者が布団からベッドに変えるメリットは立ち上がりやすさ・硬さの選択肢・布団管理不要・衛生性の4点で、デメリットはスペース・寝心地の違い・重量の3点です。

安全性の確認ポイントを、次で確認します。

高齢者が使いやすいベッドの選び方①安全性

高齢者が使いやすいベッドを選ぶうえで最初に確認すべきは安全性で、折りたたみベッドなどの簡易ベッドは高齢者には適しません。

折りたたみベッドは耐久性に問題があったり、収納時に指を挟む危険があったりと、高齢者の使用には向いていません。

ベッドフレームは以下のポイントを確認してから選ぶことが基本です。

  • 耐荷重が十分か(最低200kg以上が目安)
  • グラつきや軋みがないか
  • フレームの角に鋭い出っ張りがないか
  • サイドレールや手すりを後付けできる構造か

サイドレールは転落防止を目的とした柵ですが、立ち上がりの支えとして使う場合は別途「ベッド用手すり」を設置することが必要です。

枕元に眼鏡・携帯電話・薬・ペットボトルなどを置ける宮付きフレームを選ぶと、夜中に起き上がらずに手元のものを取れるため転倒リスクを下げられます。

このように、高齢者が使いやすいベッドを選ぶうえで最初に確認すべきは安全性で、折りたたみベッドなどの簡易ベッドは高齢者には適しません。

高さの選び方を、次で確認します。

高齢者が使いやすいベッドの選び方②高さの選び方

高齢者が使いやすいベッドの高さは、腰かけたときに骨盤より膝がやや低い位置になる35cm前後が目安です。

高さが合っていないと立ち上がりに余計な力が必要になったり、腰や膝への負担が増えたりするため、高さの選定は快適性と安全性に直結します。

高さと転倒・衛生リスクの関係

ベッドが高すぎると足が床に届かず、座った状態が不安定になって転落リスクが高まります。

反対に低すぎると床からの立ち上がり動作に近くなり、膝や腰への負担が増えます。

床から45cm程度までの高さにはハウスダストが舞いやすいため、マットレス上面が45cmを超える高さのベッドを選ぶと衛生面でも有利です。

高さの目安

ベッドの高さ 特徴 向いている方
25cm以下 超低床・転落時の衝撃が小さい 転落リスクが高い方・認知症の方
35〜45cm 立ち座りがしやすい標準的な高さ 自立度がある60〜70代の高齢者
45〜65cm 介助しやすい高さ 介助者の腰負担を減らしたい場合

高さ調節機能がついているベッドなら、体の状態や用途に合わせて変えられるため、将来的な状態変化にも対応できます。

このように、高齢者が使いやすいベッドの高さは腰かけたときに骨盤より膝がやや低い位置になる35cm前後が目安です。

マットレスの硬さの選び方を、次で確認します。

高齢者が使いやすいベッドの選び方③マットレスの硬さ

高齢者が使いやすいベッドのマットレスは、寝返りのしやすさと体圧分散のバランスを考えて選ぶことが重要です。

布団からベッドに切り替える際に多くの方が戸惑うのがマットレスの硬さ選びで、硬すぎても柔らかすぎても身体への負担が変わります。

マットレスの種類と特徴

高反発マットレス

沈み込みが少なく寝返りがしやすいため、自力で寝返りができる高齢者に向いています。

体が沈みすぎないため立ち上がりもしやすく、腰痛がある方にも適しています。

低反発ウレタンマットレス

体の形に合わせてゆっくり沈み込む特性で体圧分散に優れており、関節への圧迫が少なく寝心地を重視する方に向いています。

沈み込みが深いため寝返りや起き上がりはしにくくなる点に注意が必要です。

ボンネルコイルマットレス

布団で寝ているような適度な弾力があり、沈み込みすぎない寝心地が特徴で、標準体型〜大柄体型の方に向いています。

長年布団で寝てきた高齢者にとって寝心地の違和感が少なく、切り替えがしやすいマットレスです。

ポケットコイルマットレス

コイルが独立して動くため体圧分散性に優れており、体格が細い方や体重が軽い高齢者に向いています。

ボンネルコイルより価格が高くなりますが、肩や腰への圧迫が少なく長期間の使用に向いています。

シーツやベッドパッドの付け替えは思いのほか重労働で、ボックスパッドを使うと四隅を引っかけるだけで装着でき、高齢者でも負担なく交換できます。

このように、高齢者が使いやすいベッドのマットレスは寝返りのしやすさと体圧分散のバランスを考えて選ぶことが重要です。

介護ベッドへの切り替えタイミングを、次で確認します。

高齢者が使いやすいベッドの種類と介護ベッドへの切り替えタイミング

高齢者が使いやすいベッドは状態の変化に合わせて一般ベッド→リクライニングベッド→介護ベッドへと段階的に切り替えていくことが重要です。

種類別の特徴と向いているケース

種類 主な機能 向いているケース
一般ベッド なし(固定式) 自立度が高い60〜70代・デザイン重視
リクライニングベッド 背上げのみ 起き上がりに少し不安がある方
2モーター介護ベッド 背上げ+高さ調節 要介護1〜2・介助者の腰負担が気になる
3モーター介護ベッド 背上げ+膝上げ+高さ調節 要介護3以上・長時間臥床・褥瘡リスク
低床ベッド 超低床+高さ調節 認知症・転落リスクが高い方

介護ベッドへの切り替えタイミングの目安

  • 自力での起き上がりが困難になってきた
  • 介助者が腰をかがめたままのケアを続けており腰痛が悪化している
  • 医師やケアマネジャーから介護ベッドの導入を勧められた
  • 要介護2以上の認定を受けた(介護保険レンタルの対象になる)
  • 夜間に一人でベッドから降りようとして転落リスクがある

要介護2以上の認定を受けると介護保険の福祉用具貸与が利用でき、月額800〜1,200円程度(1割負担)で電動介護ベッドをレンタルできます。

将来の状態変化を見越して最初から高さ調節機能付きのリクライニングベッドを選んでおくと、介護が必要になった際の切り替えがスムーズになります。

このように、高齢者が使いやすいベッドは状態の変化に合わせて一般ベッド→リクライニングベッド→介護ベッドへと段階的に切り替えていくことが重要です。