介護施設や病院で介護ベッドを導入する際、値段はモーター数や機能によって大きく異なります。
1モーターは8万円から10万円程度、2モーターは12万円から15万円程度、3モーターは15万円から20万円程度が相場です。
しかし値段だけで選ぶのではなく、施設の利用者に必要な機能を見極めることが重要です。
特に複数台を導入する施設では、1台あたりの値段の差が全体の予算に大きく影響するため、慎重な選定が求められます。
本記事では、介護ベッドの値段の決まり方と、機能別の価格、コストパフォーマンスの良い選び方について詳しく解説します。
介護ベッドの値段の相場の決まり方は？
介護ベッドの値段は、モーター数、メーカー、付属品の有無によって決まります。
モーター数は介護ベッドの値段を決める最大の要因です。1モーターは背上げ機能のみで最も安く、2モーターは背上げと高さ調整機能があり中程度の価格、3モーターは背上げ・膝上げ・高さ調整のすべての機能があり最も高価です。モーターの数が増えるほど、電動部品や制御装置が複雑になるため、値段が上がります。
メーカーによっても値段は変動します。パラマウントベッドや国内大手メーカーの製品は、同じモーター数でも2万円から3万円高めの値段設定ですが、品質と耐久性に優れています。海外メーカーや国内中小メーカーの製品は値段が抑えられていますが、アフターサービスや部品供給に不安がある場合もあります。長期的なトータルコストを考慮すると、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。
付属品の有無も値段に影響します。マットレス、サイドレール、キャスター、テーブルなどの付属品が含まれるかどうかで、総額が3万円から5万円程度変わります。基本セットのみの値段か、フルセットの値段かを確認し、必要な付属品を含めた総額で比較することが重要です。マットレスは2万円から5万円、サイドレール1組は1万円から2万円、キャスター4個は5千円から1万円程度が相場です。
機能のグレードも値段を左右します。同じ3モーターでも、モーターの静音性、リモコンの操作性、安全機能の充実度によって値段が異なります。最低床高が低いモデルや、背上げの角度調整が細かくできるモデルは、値段が高くなる傾向があります。
介護ベッドの値段は、モーター数が最大の要因で、メーカーのブランド力、付属品の有無、機能のグレードによって決まります。
次に、モーター数別の値段と機能について詳しく解説します。
モーター数別の値段と機能
介護ベッドは、1モーターが8万円から10万円、2モーターが12万円から15万円、3モーターが15万円から20万円の値段で、モーター数により適した利用場面が異なります。
1モーター介護ベッドの値段は8万円から10万円程度で、背上げ機能のみを備えています。食事や読書の際に背もたれを起こす用途に適しており、自立度が高い利用者向けです。デイサービスやリハビリ施設など、要支援から要介護1程度の利用者が中心の施設に適しています。操作がシンプルで利用者自身が扱いやすく、故障のリスクも低いため、メンテナンスコストも抑えられます。付属品を含めたフルセットの値段は10万円から13万円程度です。
2モーター介護ベッドの値段は12万円から15万円程度で、背上げ機能と高さ調整機能を備えています。ベッドの高さを調整できるため、介護者が移乗介助を行いやすい高さに設定でき、介護負担を軽減します。利用者がベッドから立ち上がる際も、適切な高さに調整することで自立を支援できます。サービス付き高齢者向け住宅やグループホーム、要介護2から3程度の利用者が中心の施設に適しています。付属品を含めたフルセットの値段は15万円から19万円程度です。
3モーター介護ベッドの値段は15万円から20万円程度で、背上げ・膝上げ・高さ調整のすべての機能を備えています。膝上げ機能により、背上げ時に体がずり落ちるのを防ぎ、利用者の快適性と安全性を向上させます。要介護度が高い利用者の体位変換や褥瘡予防にも有効で、特別養護老人ホームや介護療養型医療施設に適しています。付属品を含めたフルセットの値段は18万円から25万円程度です。
メーカーによる値段の差もあります。パラマウントベッドの楽匠シリーズ3モーターは18万円から23万円程度、国内中堅メーカーの3モーターは15万円から18万円程度です。海外メーカーの3モーターは12万円から15万円程度で値段が抑えられていますが、部品供給やアフターサービスに不安がある場合があります。
介護ベッドの値段は、1モーターが8万円から10万円、2モーターが12万円から15万円、3モーターが15万円から20万円で、モーター数と利用者の介護度に応じて選択します。
次に、介護ベッドを安く購入する方法について解説します。
介護ベッドを安く購入する方法
介護ベッドを安く購入する方法は、複数台のまとめ買い、中古品の選択、必要最小限の機能に絞ることです。
複数台のまとめ買いは、最も効果的な値段削減方法です。10台以上をまとめて購入する場合、1台あたり1万円から3万円程度の割引が期待できます。20台の3モーター介護ベッドを購入する場合、定価18万円として360万円ですが、まとめ買い割引により320万円から340万円程度に抑えられる可能性があります。販売業者との価格交渉により、さらに割引を引き出せる場合もあります。配送費も複数台まとめることで1台あたりのコストを下げられます。
中古品の選択も大幅なコスト削減につながります。中古介護ベッドは新品の半額から6割程度の値段で購入でき、3モーターなら7万円から12万円程度です。製造から3年から5年以内の状態の良い中古品であれば、購入後も5年程度は使用できるため、トータルコストを大幅に削減できます。信頼できる販売業者から購入し、保証が付いている中古品を選ぶことが重要です。
必要最小限の機能に絞ることも値段削減のポイントです。すべての利用者に3モーターが必要とは限らず、自立度が高い利用者には1モーターや2モーターで十分な場合があります。施設全体で利用者の介護度を分析し、必要な部屋にのみ3モーターを配置し、その他の部屋には1モーターや2モーターを配置する方法もあります。20台導入する場合、すべて3モーターなら360万円ですが、10台を3モーター、10台を2モーターにすれば、310万円程度に抑えられます。
付属品を別途購入することでも値段を抑えられます。マットレスやサイドレールを別のメーカーから購入することで、トータルコストを削減できる場合があります。ただし、ベッド本体との相性を確認する必要があります。施設で既に保有している付属品を流用できる場合は、ベッド本体のみを購入することで値段を抑えられます。
リースやレンタルも選択肢です。初期投資を抑えたい場合、リースやレンタルを利用することで、月額3千円から5千円程度の負担で介護ベッドを導入できます。ただし、長期的には購入よりも総額が高くなるため、使用期間を考慮して判断する必要があります。
介護ベッドを安く購入するには、複数台のまとめ買いによる割引交渉、中古品の選択、利用者に応じた必要最小限の機能選定が効果的です。
