介護施設や病院で電動ベッドを導入する際、中古なら新品の半額程度で購入できます。
モーター数によって機能と価格が異なるため、施設の利用者に適したものを選ぶ必要があります。
しかし購入前には、動作確認やモーター数の違いを理解しておくことが重要です。
特に電動機能の状態は中古品選びで最も重視すべきポイントとなります。
本記事では、施設や病院が中古電動ベッドを選ぶ際のモーター数別の価格と機能について詳しく解説します。
中古電動ベッドの選び方のポイントは？
中古電動ベッドは、利用者の介護度に応じてモーター数を選定し、購入前に電動機能が正常に作動するか確認することが重要です。
電動ベッドの最大の特徴は、電動モーターによるリクライニング機能と高さ調整機能です。1モーターは背上げのみ、2モーターは背上げと高さ調整、3モーターは背上げ・膝上げ・高さ調整が可能で、利用者の介護度や施設の種類によって適したモーター数が異なります。自立度の高い利用者が多い施設では1モーターや2モーターで十分な場合が多く、要介護度が高い利用者が中心の施設では3モーターの導入が推奨されます。
中古電動ベッドを選ぶ際の最重要ポイントは、電動機能の動作確認です。背上げ、膝上げ、高さ調整のすべての機能が滑らかに動くか、異音がしないか、リモコンが正常に反応するかを実際に試して確認します。モーターの劣化は目視では判断できないため、必ず実際に動かして確認することが重要です。特にモーターから異常な音がする場合や、動作が極端に遅い場合は内部部品の劣化が進んでいる可能性があるため避けるべきです。
保証内容も購入前に必ず確認します。信頼できる販売業者であれば1年程度の保証を付けているため、購入後のトラブルにも対応してもらえます。また、中古電動ベッドの多くは医療施設や介護施設で使用されていたもので、定期的なメンテナンスが行われていた製品が大半です。大手メーカー製品は耐久性が高く設計されているため、中古品でも十分に使用できる状態のものが多く流通しています。
中古電動ベッドを選ぶ際は、利用者の状態に合わせたモーター数の選定と、電動機能の徹底的な動作確認が必要です。
次に、モーター数別の機能と価格について詳しく解説します。
モーター数別の機能と価格
中古電動ベッドは、1モーターが3万円から5万円、2モーターが5万円から8万円、3モーターが7万円から12万円の価格帯で、モーター数により機能と適した利用場面が異なります。
1モーター中古電動ベッドは、背上げ機能のみを備えており、価格は3万円から5万円程度です。食事や読書の際に背もたれを起こす用途に適しており、操作がシンプルで利用者自身が扱いやすい特徴があります。デイサービスやリハビリ施設など、要支援から要介護1程度の自立度が高い利用者が中心の施設に適しています。新品は8万円から10万円程度なので、中古品を選ぶことで3万円から5万円のコスト削減が可能です。
2モーター中古電動ベッドは、背上げ機能と高さ調整機能を備えており、価格は5万円から8万円程度です。ベッドの高さを調整できるため、介護者が移乗介助を行いやすい高さに設定でき、介護負担を軽減します。利用者がベッドから立ち上がる際も、適切な高さに調整することで自立を支援できます。サービス付き高齢者向け住宅やグループホーム、要介護2から3程度の利用者が中心の有料老人ホームに適しています。新品は12万円から15万円程度なので、7万円程度のコスト削減が可能です。
3モーター中古電動ベッドは、背上げ・膝上げ・高さ調整のすべての機能を備えており、価格は7万円から12万円程度です。膝上げ機能により、背上げ時に体がずり落ちるのを防ぎ、利用者の快適性と安全性を向上させます。要介護度が高い利用者の体位変換や褥瘡予防にも有効で、特別養護老人ホームや介護療養型医療施設、要介護4から5の重度の利用者が中心の施設に適しています。新品は15万円から20万円程度なので、8万円程度のコスト削減が可能です。
製造年によっても価格は変動し、製造から3年以内の比較的新しい中古電動ベッドは、相場より1万円から2万円高くなる傾向があります。複数台を導入する場合は、まとめ買いによる割引交渉も可能です。
中古電動ベッドの価格帯は、1モーターが3万円から5万円、2モーターが5万円から8万円、3モーターが7万円から12万円となっています。
次に、中古電動ベッドの動作確認ポイントについて解説します。
中古電動ベッドの動作確認ポイント
中古電動ベッドの動作確認では、モーターの音と速度、リモコンの反応、ワイヤーやケーブルの劣化状態を重点的にチェックする必要があります。
モーターの動作音確認では、背上げ機能を動かした際に異常な音がしないかをチェックします。正常な電動ベッドは低い駆動音のみですが、キーキーという金属音やガタガタという振動音がする場合は、モーター内部のギアやベアリングが劣化している可能性があります。このような異音がある中古電動ベッドは避けるべきです。各機能の動作範囲も確認し、背上げは70度から75度程度まで上がるか、高さ調整は床から25cmから65cm程度の範囲で調整できるか、膝上げは30度程度まで上がるかをチェックします。
動作速度も重要な確認ポイントです。背上げや高さ調整が極端に遅い場合、モーターの出力が低下しているか、内部の潤滑油が不足している可能性があります。複数の中古電動ベッドを比較できる場合は、動作速度の違いを確認します。動作中に途中で止まったり、動きが不安定な場合は、電気系統に問題がある可能性があります。正常な電動ベッドは、背上げが0度から70度まで30秒から40秒程度で完了しますが、これより明らかに遅い場合は注意が必要です。
リモコンの反応確認では、ボタンを押してから動作するまでに2秒以上のタイムラグがないか、すべてのボタンが正常に機能するか、ボタンの接触不良がないかをチェックします。リモコンのケーブルが断線していないか、コネクタ部分が緩んでいないかも確認ポイントです。リモコンは利用者が日常的に使用する部分のため、ボタンの摩耗や破損も確認します。
ワイヤーやケーブルの状態確認も重要です。ワイヤーに錆や断線の兆候がないか、ケーブルの被覆が破れていないかをチェックします。これらが劣化していると、使用中の故障リスクが高まります。フレームやサイドレールの溶接部分にひび割れがないか、ボルトやネジが緩んでいないかも確認します。
中古電動ベッドを購入する際は、モーター音や動作速度の確認、リモコンの正常動作、ワイヤーやケーブルの劣化チェックを徹底する必要があります。
次に、中古電動ベッドのメンテナンスについて解説します。
中古電動ベッドのメンテナンス
中古電動ベッドのメンテナンスは、月1回の動作確認と3ヶ月に1回の清掃を行い、製造から3年以内の製品なら購入後5年から7年程度使用できます。
定期的なメンテナンスにより、電動ベッドのモーターやギアの寿命を延ばせます。月に1回程度、すべての電動機能を動かして動作確認を行い、異音や動作不良がないかをチェックします。モーター部分やギア部分に埃が溜まると故障の原因になるため、3ヶ月に1回程度は清掃を行います。専門業者による年次点検を実施することで、大きな故障を未然に防げます。年次点検では、モーターの分解清掃や潤滑油の補充、電気系統の点検なども行われるため、長期的な使用には効果的です。
電動ベッドの耐用年数は、一般的に8年から10年程度とされていますが、中古品の場合は前の使用期間を考慮する必要があります。製造から3年以内の中古電動ベッドであれば、購入後さらに5年から7年程度は使用できると考えられます。製造から5年以上経過している中古電動ベッドの場合、購入後の使用期間は3年から5年程度を見込むべきです。購入時に製造年を必ず確認し、施設の使用計画や予算に合わせて選定することが重要です。
リモコンのケーブルやワイヤーは消耗品として考え、劣化が見られた場合は早めに交換します。大手メーカーの電動ベッドであれば、部品供給が安定しているため、メンテナンスがしやすいメリットがあります。購入時に、メーカーの部品供給状況や修理対応を確認しておくと安心です。保証期間終了後も、販売業者のメンテナンスサービスを利用できるかを確認し、長期的なサポート体制が整っている業者から購入することをおすすめします。
中古電動ベッドは、月1回の動作確認と3ヶ月に1回の清掃を実施することで、製造から3年以内の製品であれば購入後も5年から7年程度の使用が可能です。
